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昔の日記「死にぞこないの記録」其8

随分と時間が経っちゃったので、軽い粗筋から

 ODより救急Cに担ぎ込まれた筆者の一週間ながらの病床記、が本題の筈だが日記の冒頭から淡々と事象のみを書くのが苦手な筆者は、簡単な前置きを記してから本題に移ろうとするのだが、前置きも簡潔に書くことが出来ず、前置きだけで一日分を消化してしまう事がある。アルコールのせいでもあるが、区切りがついたと思い「書き込み」ボタンを押すタイミングで、ただでさえ電波が弱い無線LANが切断されている場合が多く、「インターネットに接続出来しません」と何度も冷酷に宣告されてふてくされたり、日記らしい日常の良し無し事も書いてみたい事が出てきたりで、しっちゃかめっちゃかの状況に陥っている。古くは「サラゴサ手稿」、または「冬の夜一人の旅人が」や「フリオとシナリオライター」みたいな状況とでも言えばいいのでしょうか。

 ODから一ヶ月経った事を回顧しながら、時間的余裕が出来たせいでのんびり地元をうろついたりしている内に、この城陽で主に過ごした小学時代の出来事が思い出される。

 卒業時には「最悪の学年の最悪のクラス」のレッテルが貼られた自分の在籍したクラスですが、どうやらその問題児の筆頭格として上げられていたらしい自分。そういやいろいろやんちゃしたよなぁ・・・と回顧している内にオイタ坊主として見られ始めた小学4年の喧嘩の事を思い出す・・・と書くと「失われた時を求めて」の冒頭、マドレーヌみたく格好良く響くが、そんな高尚なものにはなってまへん。

 

 ドッヂボールの陣取りで上級生を揉め始めたのをイキッて仲裁に入ろうとして見事失敗。十数人と相手をする事になったが、「先手必勝、一人を人質に取ると大抵相手は戦意喪失する」を地で行って、その場は何とか逃れる。

 でも、やっぱり納得いかない上級生。中間休みに陣容を整えて教室に乗り込んでくる。

 

 と言う所迄が10月8日に書いた事。まぁ、ここまで纏めたんで後はさくっと行きますわ。

 納得いかないお兄さま方は、それなりに腕に自信がありそうで「ほな、下級生の糞生意気な奴をいっちょ見せしめにシメといたるか」ってな感じで鼻息の荒そうなんが5〜6人。う〜ん、話がでかくなったのか、どう見ても別のクラスの筈のお兄さんも混じっているじゃないですか。しっかりとその方面では面が割れてしまっている方々。そんなにストレス溜まってんの?で、てっぺんにはいないけど、それなりに腕白な兄ちゃん共で、「いざとなったら助太刀まかしてくんさいっ!」てな鼻息。狼やハイエナみたいに、弱った相手を徹底的にいてこます嫌らしい連中が後ろから10人程度ついてきて、後ぞろぞろと冷やかし半分、興味半分の野次馬君達が連なっています。

「ちょっと体育館の裏来いや」こちらとしても有り難い。ここでおっぱじめると、中途半端に正義感の強い優等生君が「喧嘩はやめろよぉ」なんて言いながら職員室に走っていたり、何もされていないのに女が発作的に泣き出したりして収集つかなくなってしまう。

 こちとら備えてないし、乗り込んで来られてから人数集めるのも格好悪い。で、アイコンタクトを感じてくれて、話に乗ってくれた二人と「まっ、しゃーないか」ってな感じでだらだら教室を後にしました。こういう場合、飲まれてしまったら負けやしね。連行されるような格好になったらあっという間に相手の思うつぼ。ただでさえ数で負けてんのに、連行されるような流れを作ったら、気分的にも相手を増長させてしまう。彼らの前を悠然と、余裕を作ってみせる為、わざとゆっくりと歩きながら頭の上で手を組んだりしながら「どないするぅ?こりゃちょいとキツいやろ」「まぁ、何とかするしかないし、何とかなるやろ」「ならんかったら笑い者、っと」みたいに軽口叩いてみたりしてるけど、本音は「まいったなぁ、こいつらどないするつもりやろ」「なんか武器持っとったっけ?」「なかったと思うけど、ここで振り向いて確認でもしたら尻尾垂らしたようなもんやからなぁ」「無茶しそうだったら、先生呼びに行くよ」「・・・それだけは避けたいよなぁ、プライド的に・・・」「まっ、自分に興味あるみたいやから、取り敢えず自分が突っ込んでいくわ」「ほな、ちゃちゃ入れ\xA4

討唎訶曚鰺泙┐箸い燭蕕┐┐ʔ廖屬舛腓辰販イ譴申蠅ǂ蘋鏘郡兒,靴董ヿ紊蹐ǂ藕況發箸ǂ△辰燭藏気┐襪茵廖屬Ń亜△修谿貳岾擇併纏槪笋覆いʔ廖屬任發泙 ⌆ⓜ廚別魍笋笋福廖屬世ǂ薜貊錣防佞い討④燭里法廖屬覆鵑\xAB美味しい所貰われていってるような」ってな後ろには聞こえない声での作戦会議。

 階段を降りる際、横目で見てみるとお兄さん集団の後ろから心配そうな、いや、興味本位の野次馬連中の同級生達がちらちらと・・・お前ら、やっぱ頼りになるよ(呆)。

 自分の小学校の体育館の裏は、幅2〜3m程度、地面はコンクリ枠の内側は砕石、外は剥き出しの地面になっている。体育館の逆側は1.5m程の高さの金網で、その向こうは数m下に田圃。まだ稲が植わっている時期だから、最悪金網を乗り越えて校外に脱走すればいい訳だ。体育館の窓は高く内側からも覗き込むような物好きがいない限り死角になっている。田圃の方も農道はかなり遠く、殆ど人も通らない。だからこういう知られたくない事が行われるのに最適の場所の一つと言え、これまでも何度かお世話になった事がある。匹敵するのは体育館の地下にある用具室と屋上位かな?

「ふうっ」軽く息を吐いて、それが合図のように立ち止まり、振り返る。裏に入って十数歩程歩いた所。当然相手は全員顔を出せない。出そうとすると揉みくちゃになる。それもこっちの計算。一度に相手する人間は少なければ少ない方がいい、これ常識。狭い所を戦場に選んだ、恨むんなら自分達を恨みなさい。

 で、努めて冷静に、でもちょいと嘲笑のスパイスを隠し味程度に、

 「連れてきて、なんでっしゃろ」ここで動いたら負けだ。あくまで悠然と、相手の出方を窺って。同行の二人を手で前に出るのを制する。兎に角、相手の先陣を動かさなければ。血迷って先手を出して集団に飲み込まれでもしたら乱戦になってしまい勝機は完全に失してしまう。さぁ、誰が来る、誰が出る。じっと顔を覗かせられた相手全体を視野に入れるように凝視する。ひくひくしますねぇ、うずうずがくがくしますねぇ。怖くない訳がない。小学生の頃の一学年差は体格的にも体力的にもかなり大きな差に感じられる。相手は第二次成長期にかかり始めている奴らもいる。そこに・・・

「朝、やんちゃかました奴ってお前か」見た目、大将、少なくとも副将レベルが一歩足を踏み出してきた。

「・・・あれがそうなら、そうなんやろな・・・」

「・・・で、どないすんねん・・・」暫しの睨み合い。徐々に近づいてくる、少し離れて後ろの集団も付き従ってくる。さぁ、息を吸って、止めて・・・。

 

 最初はどっちだったか覚えていない。イメージ通りに体が動いただけ。顔を狙うと見せかけてガードを上げさせ腹パンチか膝を入れ、前のめりにさせたところで髪の毛を掴み、体育館の鉄製の雨樋にブチ付ける。ゴィ〜ィンッ、重い音が響く。容赦せずにもう一発。同じくゴィ〜ィンッ。組み伏せようと抱き込んでいた手が力無く垂れる。で、もう少し仰け反らせて、体育館の壁に真正面から・・・。

 雨樋に打ち付けられた目の上の額は見る間に綺麗な球型に膨らんでいく。粗面のコンクリで出来た体育館の壁は、顎から鼻までの皮膚を削り、前歯を欠けさせ、滝のように鼻血を流させてくれる。荒くなった息を整えようと何とかするが、到底収まりきれず、漏れ出す鼻息で肩を震わせながら、相手方の集団を眺めやる。・・・ドン引き。少なくとも「どうにかはなってしまうんだろう」と思っていた想定以上の惨状が目の前にあり、それは与える筈であったもので、自分達の中でトップレベルと思っている奴に加えられている。

 狼狽し切った、じとっと粘っこい沈黙の空気。砕石にぼどっぼどっ、と血の塊が朱を描いていく。動きがないのを確認すると、髪の毛を掴んでいた手をゆっくりと壁から離し、視線を再び壁に向かわせる。相手の残りを視界に入れる必要はない。もう彼らは「動けなく」なっている。万が一「キレた」奴が暴れ込んできても、モロのサポートがあり、自分は機械的に持っている物質を再び、三度と壁にぶつけるだけだ。

「うわぁ〜あぁんっ!」ガキが転んで膝をすりむいた時のような惨めな鳴き声が、陰鬱とした静寂を破った。

 自分の手の下から、綺麗に膨らんだ瘤のお陰で殆ど塞がってしまった瞼からぼろぼろ涙をこぼし、鼻血と鼻水が混ざったような変に透明な部分のある液体を垂れ流し、これまた前歯が欠けたせいか、だらしなく開いた口端から涎と血の混ざった液体をだらだら滴り落としながら必死になって呻いている、喚いている。

 GAME OVER。

 さっきまでの勇んだ姿は何処にも見えず、ただ一匹の取るに足らぬガキとなって自分の惨めさを言葉とは言えない嗚咽で訴えてる。

 髪の毛を掴んでいた手を放してやる。何本かが手に絡みついたままだ。自分と相手の冷や汗でなかなか指から離れず、まとわりついて気分が悪い。

 ドサッと地面に落ちた肉塊は、眼の上の綺麗に腫れ上がった瘤を押さえて「いたいよぉ、いたいよぅ・・・」と呻き続けている。綺麗に青痣になって腫れ上がっているから、頭蓋骨には影響ないだろう、多分、経験上(自信、少しだけ)。

 もう一度、視線を上げ、声も出せずただ呆然としている連中を眺めやる。

「このまま放っておいていいんですか?」

「そっ、そやっ!保健室連れて行かな!!」やっと自分達がしなければならない事に気付いたように、実際はこの惨めな膠着状態から解放される切っ掛けを掴めたように、一斉に倒れて泣き呻き続けている同志を抱え上げ、我こそ保健室に連れて行くぞ、その大儀を自分が担うぞと肩を抱くやり足を抱え上げるやりして、この場から逃れる口実を作ろうとする。

「冷やさんと」とハンカチを濡らしに行く者あり、「大丈夫か」と鼻血を拭ってやる奴あり。ただ、少し後ろに退いてやったこちらに目もくれず、くれたとしても「お前、これで骨折でもしてたら弁償やからな」なんて捨て台詞にもならない言葉を視線も合わせず投げかけるだけ。とうの昔に相手方の野次馬連中は消え去っており、逆に自分の背中側から、こっそり様子を窺っていた同級の連中が何故だか嬉しそうに駆け寄ってくる(呆)。

 ぽんっとモロが肩を叩き、指でちょいちょいっと自分の足下を指す。

 「・・・あ〜ぁ、上履き、鼻血で汚れちったな・・・」

 こうして、何故だか「上級生20人切り」の大層な看板を背中に背負わされる事になり、その事も自分が私学に行かざるを得なくなった一因でした。一人徹底的に痛めつけただけなのにね。やっぱり鉄則として「多人数と相手する時には一人を完膚無きまで叩きのめす様子を相手に見せつけろ」です。

 お陰で(以前にも書いていたように)公立に入っていたら自分用の長ランが待っていたり、他校との対外試合があったりとまぁちょこちょことこっち系でも多忙な日を過ごしていたものです。自分から行くのは殆どなかったからそんなに「悪人さん」にはなりませんでした。クラスの誰かがボコられてる位では動く気なかったし、第一そんな義理が有る程堅い結束なんてない。やられる奴ぁ、やられとけってなもんで、女の子が絡んでたら・・・参加・・・してた、かな?まぁ、モロ絡みが多かったかなぁ。人柄上、めっぽう強い癖に自分から手を出す事をせず、いろいろゴタゴタした時もじっと耐える奴だったから。

 中学に入ってから?大人しくなりましたよ。恐らくガリ勉君が多いだろうという考えは塾に通っていた頃から捨て去っていましたが、集まってきた連中を見ていると、天は二物も三物も与えてるんやなぁ、と実感させられる奴がゴロゴロいたし、やっぱり小学校は「遊び場」と捉えていたけれど、中高は親に金出して貰って通わせて頂いていたしねぇ。そんなやんちゃは控えていました。でも『ブリッコ』や『HM』にのめり込んでしまったのは・・・神のお示しの道を進んだだけです(笑)。

 よし、やっと次回から本道に戻れる。兎に角、完成にこぎ着けるつもりではいますんで、気が向いたら読んでやって下さい。

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